スキップしてメイン コンテンツに移動

「広島ドラゴンフライズ」あのころの未来

B1 2022-23シーズンは11月19日で全てのクラブが60試合中10試合を終え、暫定首位は8勝(勝率8割)の3クラブで全て西地区のクラブです。

昨季の順位が高い順に並べると、
1.琉球 昨季は西地区1位で勝率.875
2.島根 昨季は西地区2位で勝率.727
3.広島 昨季は西地区6位で勝率.509
となります。

この記事では、広島ドラゴンフライズのあることに注目してみます。

タイトルからは某名曲が頭に浮かびますが、冬の夜空は関係なくて、2022年6月10日に早くも2022-23シーズンの編成を終えた広島が非常に丁寧な説明と共に発表した

2022-23シーズン 広島ドラゴンフライズロスターおよび トップチームスタッフ決定のお知らせ 

を振り返ってみたいなと思い、あのころの未来というタイトルを付けました。

広島ドラゴンフライズについては、過去(2022年5月14日)にも書いていて、その時のタイトルは「広島ドラゴンフライズ」の現在地でしたが、これは岡崎GMの弁に因みます。現在地と聞くと、私の頭の中ではBUMP OF CHICKENのロストマンのリズムで脳内変換されますが、そんなことも関係なくて、

本題に戻すと広島ドラゴンフライズが昨季の課題を踏まえて重点的に改善していくポイントとして掲げたことを遂行できているのかについて書いていきます。


重点的に改善していくポイントとは以下の3点で、

①チームバスケット、チーム戦術の落とし込み
②トランジションとターンオーバーの改善
③スペーシングの改善、活用


改善ポイント①のチームバスケット、チーム戦術は
「粘り強く、強固なディフェンスから組織的なオフェンスを展開する」
を指します。


大枠を掴むために、4Factorsの比較から入りたいと思います。


改善ポイント②のターンオーバーは改善されていないのでは?や、リバウンド獲得率がOR・DR共に下がっていないか?など気になる箇所はありますが、

10試合を終えた時点で勝率8割という成績を残しているのは、チーム戦術の落とし込みが上手くいっていることが主な理由と考えられ、
Opp eFG%が3.3%下がっているところと、Opp TO%が2.1%上がっているところが肝ではないかと思っています。

次に、細かい数字も眺めてみましょう。


※表の数値は40分換算のものになります。【攻撃編】の表でも同じです。

改善ポイント①のチーム戦術である「粘り強く、強固なディフェンス」の落とし込みは、失点が3.6減っていることと、相手のターンオーバーが2.1増えている(17.4%増)ことから上手くいっているようです。ターンオーバーからの得点(次の【攻撃編】の表中の数字になります)は5.2増えていて(37.7%増)、ライブターンオーバーを上手く誘発できていることも分かります。

改善ポイント③については、
インサイドの強さに加えてアウトサイドのスペースを活用すること 
ディフェンスにおいても相手チームにアウトサイドでのオフェンス力のある選手がいる場合や、広いスペースを活用するチームに対して、うまく対応できない場面が多くありました。
という考えが表明されていました。

3点シュート被試投数は2.8本増えていますが、被成功率は4.5%下げていることから、3点シュートを打たせていることが分かります。

アウトサイドのスペース活用については、【攻撃編】の表の下に書きます。


3点シュート試投数は5.9増えて(28.4%増)、2点シュート成功率が2.5%上がったことは、アウトサイドのスペースを活用できているからこそ。欲を言えば、3点シュート成功率を上げたいところ。

ここまでで分かったことは、重点的に改善していくポイントとして掲げた3つの内2つは上手くいっていること。裏を返せば、 すべてが思うほどうまくはいかないみたいだ ということ。

締めみたいなことを書きましたが、もうしばらくお付き合いいただける方は、興味深い数字がありますので、このあとの部分も是非。

10試合を終えた時点で、広島の得点はリーグ11位の79.6点で、失点は77.1点(順位13は13番目に低いという意味です)。偏差値換算すると、得点は52.7で失点は51.1と平均的な攻撃力、守備力ということになります。


8勝(2022年11月19日時点)の3クラブの得失点差を見ると、琉球+131、島根+126に対して広島は+25。平均値を使っているが故に、不思議な感覚を抱く数字になっているのかも知れませんが、勝負強いということが伝わる数字だとも思います。

改善ポイント②のターンオーバーが減ると、得点増・失点減が大いに期待でき、今後が楽しみですね。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

このブログの人気の投稿

2022年の京都ハンナリーズ 11連敗の前後のスタッツ比較 

 2022年に入ってから10勝11敗と5分目前の勝率でしたが、4月6日以降は11連敗の京都ハンナリーズ。次節は今季最終節にあたり、ホームに西地区2位でCS進出を決めた島根スサノオマジック(40勝14敗/ 勝率.741)を迎えます。 この記事では、浮上の兆しを見せた2022年1月2日から4月3日までの21試合と、4月6日から5月1日までの11試合のスタッツを並べて、どう変わったのかに迫りたいと思います。 ここ最近のモヤモヤした気持ちを解消するという動機で書こうと思い立ち、数字から読み解けることを書き連ねていくので、とりとめもなくなるかも知れません。 まずは大枠を掴むために4Factorsの比較から。 リバウンド獲得率は改善していますが、eFG%が下がりTO%が上がり攻撃を良い形で終えることができていないことが見えてきます。また、守備面でもOpp eFG%が上がりOpp TO%が下がっていて、相手の攻撃が質と量の両面で良くなっています。 次に細かい数字も見ていきましょう。 伸び率下位5項目を見ると、3点シュート成功数が一番下がっています。2.2本減っているので、得点にして6.6点減ということになります。36.2%もあった成功率も28.4%と3割を切る数字になり、得点期待値は0.85(2点シュート成功率が50.9%で得点期待値1.02)。 アシストも減っていて、オフェンスが停滞して3点シュート成功率も低下という悪循環に陥っているように感じます。 一方で、オフェンスリバウンド・セカンドチャンスからの得点が増えていること、スティール・ブロックが増えていることは明るい材料。 守備面で、速攻からの失点が増えているのは、良い形でオフェンスを終えられない余波とも考えられます。3点シュート・フリースローでの失点は減っていますが、2点シュートを高確率で決められていることの裏返しで手放しで喜べません。 一方で、セカンドチャンスからの失点が減っていることは明るい材料。 リバウンドへの意識は高めたまま、シュートを決めて攻撃を終える回数が増えると良いなと月並みな感想で締めます(着地が定まらず、すみません)。 強引にまとめにかかると、残り2試合で勝ってもらいたい訳です。確率の計算をすると、2試合の内、1試合以上勝つ確率は75%です。もちろん、島根は勝率.741ということはわきまえています。...

数字に語らせるマッチプレビュー ~B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本 編~

B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本は、失点最少のFE名古屋と得点最多の熊本の顔合わせ。 eFG%は熊本が1位で、FE名古屋が2位でもあります。 ここから先は、図表と数字に語ってもらいます。 ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

数字に語らせるマッチプレビュー ~B.LEAGUE QUARTERFINALS 2021-22編~

最終試合までもつれた残り1枠は「秋田ノーザンハピネッツ 」が掴み取り、 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22への出場8チームが出揃いました。 この記事では、CSの準々決勝でぶつかるチームのレギュラーシーズンのスタッツを並べてみます。ここから先は、図表・数字しか出てきません。 琉球ゴールデンキングス vs  秋田ノーザンハピネッツ 島根スサノオマジック vs  アルバルク東京 川崎ブレイブサンダース vs  名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 千葉ジェッツ vs  宇都宮ブレックス ここまでご覧いただき、ありがとうございました!