スキップしてメイン コンテンツに移動

「島根スサノオマジック」のリバウンド戦略

昨季は40勝15敗(勝率.727)の西地区2位でCS進出を果たした「島根スサノオマジック」。今季は9試合を終えた時点で7勝2敗(勝率.778)と好調を維持しています。

島根の今季の4Factorsを眺めると、ある特徴に目が留まります。タイトルにも書いた通り、リバウンドにまつわる数字が両極端であることが分かります。


ORB%(オフェンスリバウンド獲得率)は3番目に低く偏差値換算38.7ですが、DRB%(ディフェンスリバウンド獲得率)は3番目に高く偏差値換算63.6です。

DRB%の高さを考慮すると、オフェンスリバウンドは獲れないのではなく、あえて獲りにいかない戦略ではないかと考えられます。ORB%は低いもののOpp eFG%は3番目に低く、攻撃を終える際は深追いせずに、守備態勢を整えて相手を迎えようとしていることが窺えます。

オフェンスリバウンドはシュート機会を増やす利点はありますが、ターンオーバーやディフェンスリバウンドでも相手とのシュート機会に差を創り出すことはできますし、島根の4Factorsからはターンオーバーとディフェンスリバウンドで補っていることが読み取れます。

また、シュート機会をどれだけ有効に活かすかも勝敗を左右する重要な要素で、eFG%からOpp eFG%を引いた数字は2番目の高さを誇り、そりゃ勝率が高くなる訳です。

・オフェンスリバウンドよりも守備態勢を整えることを重視する
・ディフェンスリバウンドは、しっかり回収する
が島根のリバウンド戦略ではないかということで、記事が終わりそうですが、もうしばらくお付き合い下さい。


昨季も勝率7割だった島根ですが、昨季も同じスタイルだったのでしょうか?

昨季のORB%はリーグ4位の33.2%で、今季よりも8.7%も高い数値を残しています。このことからも、あえて獲りにいっていないことが分かります。Opp eFG%を見てみると51.7%と5.8%高く、深追いしない作戦が功を奏しています。


ここから先は、おまけのようなもので、
・スタッツの昨季と今季の比較
・今季のスタッツの相対評価

もご紹介します。






この情報では物足りないと感じる方には、
B.LEAGUE 2022-23シーズン 島根スサノオマジックの攻撃・守備のスタッツと順位・偏差値など
も併せてご覧いただくことをお勧めします(手前味噌ですが...)。
※明日以降も私がスタッツ収集をサボらなければ、最新情報をお楽しみいただけます(3週間のブランクが気掛かりですが、気が向いたら頑張ります)。

このブログの人気の投稿

2022年の京都ハンナリーズ 11連敗の前後のスタッツ比較 

 2022年に入ってから10勝11敗と5分目前の勝率でしたが、4月6日以降は11連敗の京都ハンナリーズ。次節は今季最終節にあたり、ホームに西地区2位でCS進出を決めた島根スサノオマジック(40勝14敗/ 勝率.741)を迎えます。 この記事では、浮上の兆しを見せた2022年1月2日から4月3日までの21試合と、4月6日から5月1日までの11試合のスタッツを並べて、どう変わったのかに迫りたいと思います。 ここ最近のモヤモヤした気持ちを解消するという動機で書こうと思い立ち、数字から読み解けることを書き連ねていくので、とりとめもなくなるかも知れません。 まずは大枠を掴むために4Factorsの比較から。 リバウンド獲得率は改善していますが、eFG%が下がりTO%が上がり攻撃を良い形で終えることができていないことが見えてきます。また、守備面でもOpp eFG%が上がりOpp TO%が下がっていて、相手の攻撃が質と量の両面で良くなっています。 次に細かい数字も見ていきましょう。 伸び率下位5項目を見ると、3点シュート成功数が一番下がっています。2.2本減っているので、得点にして6.6点減ということになります。36.2%もあった成功率も28.4%と3割を切る数字になり、得点期待値は0.85(2点シュート成功率が50.9%で得点期待値1.02)。 アシストも減っていて、オフェンスが停滞して3点シュート成功率も低下という悪循環に陥っているように感じます。 一方で、オフェンスリバウンド・セカンドチャンスからの得点が増えていること、スティール・ブロックが増えていることは明るい材料。 守備面で、速攻からの失点が増えているのは、良い形でオフェンスを終えられない余波とも考えられます。3点シュート・フリースローでの失点は減っていますが、2点シュートを高確率で決められていることの裏返しで手放しで喜べません。 一方で、セカンドチャンスからの失点が減っていることは明るい材料。 リバウンドへの意識は高めたまま、シュートを決めて攻撃を終える回数が増えると良いなと月並みな感想で締めます(着地が定まらず、すみません)。 強引にまとめにかかると、残り2試合で勝ってもらいたい訳です。確率の計算をすると、2試合の内、1試合以上勝つ確率は75%です。もちろん、島根は勝率.741ということはわきまえています。...

数字に語らせるマッチプレビュー ~B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本 編~

B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本は、失点最少のFE名古屋と得点最多の熊本の顔合わせ。 eFG%は熊本が1位で、FE名古屋が2位でもあります。 ここから先は、図表と数字に語ってもらいます。 ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

数字に語らせるマッチプレビュー ~B.LEAGUE QUARTERFINALS 2021-22編~

最終試合までもつれた残り1枠は「秋田ノーザンハピネッツ 」が掴み取り、 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22への出場8チームが出揃いました。 この記事では、CSの準々決勝でぶつかるチームのレギュラーシーズンのスタッツを並べてみます。ここから先は、図表・数字しか出てきません。 琉球ゴールデンキングス vs  秋田ノーザンハピネッツ 島根スサノオマジック vs  アルバルク東京 川崎ブレイブサンダース vs  名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 千葉ジェッツ vs  宇都宮ブレックス ここまでご覧いただき、ありがとうございました!