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数字から読み解く 2022-23シーズンの「千葉ジェッツ」

11月26日でB1 24クラブは12試合を終え、シーズンの20%が過ぎました。 東地区1位を走る千葉ジェッツは、昨季も東地区1位。今季の勝率は.750(9勝3敗)と昨季の.778(35勝10敗)と遜色ない数字を残しています。 大層なタイトルを付けてしまいましたが、この記事では、ヘッドコーチが変わった千葉ジェッツが 昨季とどう変わったのか? と 今季のスタッツが他のクラブと比べてどうなのか? に触れたいと思います。 まずは、大枠を掴むために4Factorsの比較から。 増加率最多の項目はOpp TO%で、増加率最少の項目はOpp FTR。 昨季よりもファウルを抑えながら、 相手のミスを誘発することに成功し、 守備の強度が増していることが分かります 。 eFG%とFTRは下がっていて、リングに近付いてシュートをする機会が減っている様子が伺えます。 攻撃面のスタッツを細かく見ていくと、 3点シュート試投数への配分が増えている ことが分かります。 Opp TO%・ORB%が上がり、ターンオーバーからの得点・セカンドチャンスからの得点も増えていますね。 守備面では、相手チームのターンオーバーが増えたこと(+1.2)以外に、フィールドゴール被試投数が減ったこと(-2.0)とフリースローも減ったこと(-1.8)にも注目です。 相手チームのアシストが1.5減っていることからも、相手チームが攻めあぐねる守備が展開されているのかなと思います。 注)歯切れの悪さは、今季の千葉Jの試合映像を見ずに数字だけで語っているため(京都ハンナリーズの試合は欠かさず見ているので、Bリーグのことを多少は知っているつもりです)。 昨季との比較だけでなく、今季の数字が他のクラブと比べてどうなのかも気になるところ。 TO%とORB%はリーグ2位で偏差値換算64.5くらい。Opp FTR以外の項目は平均を上回り、一桁順位。 TO%(ターンオーバー率)とORB%(オフェンスリバウンド獲得率)の両面で相手を凌駕しシュート機会を増やしながら、eFG%(シュート効率)の面でも差をつけています。 細かいスタッツも見ていくと、3点シュート・ターンオーバーからの得点で特に優位に立ち、セカンドチャンスからの得点でも差をつけていることが分かります。 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

数字に語らせるマッチプレビュー 第7節 琉球 vs 島根 編 ~西地区首位争い~

11月26日開催予定のB1 第7節では、リーグトップの9勝の2クラブ「琉球ゴールデンキングス」と「島根スサノオマジック」がぶつかります。 この記事では、今までの11試合のスタッツから読み取れる試合のみどころに触れてみたいと思います。 まずは大枠を掴むために4Factorsから。 偏差値60を超える項目に着目すると、 琉球の特長は ・リバウンド獲得率が高い(ORB%に至ってはリーグトップで偏差値換算78.9) ・相手チームのターンオーバー(Opp TO%)がリーグトップ ・Opp TO%が高いものの、ファウルせずにTOを誘発できていてOpp FTRは低い ということが分かります。一方で、eFG%は平均を下回ります。 島根の特長は ・DRB%が2番目に高い ・eFG%が高くOpp eFG%が低い ということが分かります。 確率の高いシュートを選び、セカンドチャンスを深追いせず万全の守備態勢で相手を迎えていることや、相手に確率の低いシュートを打たせて、外れたシュートをしっかり回収している ことが窺えます。 数字に語らせるとタイトルにありながら、文章が長くなったため、ここから先は図表を中心の構成に。 セカンドチャンスの失点最少の島根が、セカンドチャンスの得点最多の琉球の得意の得点パターンをどこまで抑えられるかに注目です。 2点シュート被成功率が3番目に低い琉球が、成功率が2番目に高い島根の2点シュートの確率をどこまで低く抑えられるかに注目です。 最後は、Q別の得点・失点・得失点差から 4Qまでの得失点差は、島根12.5、琉球12.4でリーグ1、2位です。 琉球は1、2Qの失点が最少で、島根は3、4Qの得失点差が最多。琉球も後半の得失点差は2位ですが+5.2で、島根の+9.6と開きがあります。 前半は琉球ペース、後半は島根が追い上げてくる展開になるのでしょうか? 琉球のマスコット 「ゴーディー」カラーのユニフォーム にも注目。 本当に最後に、各クラブのスタッツだけを集めた記事のリンクを紹介して結びます。 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。 琉球ゴールデンキングス 島根スサノオマジック

「広島ドラゴンフライズ」あのころの未来

B1 2022-23シーズンは11月19日で全てのクラブが60試合中10試合を終え、暫定首位は8勝(勝率8割)の3クラブで全て西地区のクラブです。 昨季の順位が高い順に並べると、 1. 琉球  昨季は西地区1位で勝率.875 2. 島根  昨季は西地区2位で勝率.727 3. 広島  昨季は西地区6位で勝率.509 となります。 この記事では、 広島ドラゴンフライズ のあることに注目してみます。 タイトルからは某名曲が頭に浮かびますが、冬の夜空は関係なくて、2022年6月10日に早くも2022-23シーズンの編成を終えた広島が非常に丁寧な説明と共に発表した 2022-23シーズン 広島ドラゴンフライズロスターおよび トップチームスタッフ決定のお知らせ   を振り返ってみたいなと思い、あのころの未来というタイトルを付けました。 広島ドラゴンフライズについては、過去(2022年5月14日)にも書いていて、その時のタイトルは 「広島ドラゴンフライズ」の現在地 でしたが、これは岡崎GMの弁に因みます。現在地と聞くと、私の頭の中ではBUMP OF CHICKENのロストマンのリズムで脳内変換されますが、そんなことも関係なくて、 本題に戻すと 広島ドラゴンフライズが昨季の課題を踏まえて重点的に改善していくポイントとして掲げたことを遂行できているのか について書いていきます。 重点的に改善していくポイント とは以下の3点で、 ①チームバスケット、チーム戦術の落とし込み ②トランジションとターンオーバーの改善 ③スペーシングの改善、活用 改善ポイント①のチームバスケット、チーム戦術は 「粘り強く、強固なディフェンスから組織的なオフェンスを展開する」 を指します。 大枠を掴むために、4Factorsの比較から入りたいと思います。 改善ポイント②のターンオーバーは改善されていないのでは?や、リバウンド獲得率がOR・DR共に下がっていないか?など気になる箇所はありますが、 10試合を終えた時点で勝率8割という成績を残しているのは、チーム戦術の落とし込みが上手くいっていることが主な理由と考えられ、 Opp eFG%が3.3%下がっているところと、Opp TO%が2.1%上がっているところが肝ではないかと思っています。 次に、細かい数字も眺めてみましょう。 ※表の数値は40分換算のも...

「島根スサノオマジック」のリバウンド戦略

昨季は40勝15敗(勝率.727)の西地区2位でCS進出を果たした「島根スサノオマジック」。今季は9試合を終えた時点で7勝2敗(勝率.778)と好調を維持しています。 島根の今季の4Factorsを眺めると、ある特徴に目が留まります。タイトルにも書いた通り、リバウンドにまつわる数字が両極端であることが分かります。 ORB%(オフェンスリバウンド獲得率)は3番目に低く偏差値換算38.7ですが、DRB%(ディフェンスリバウンド獲得率)は3番目に高く偏差値換算63.6です。 DRB%の高さを考慮すると、オフェンスリバウンドは獲れないのではなく、あえて獲りにいかない戦略ではないかと考えられます。ORB%は低いもののOpp eFG%は3番目に低く、攻撃を終える際は深追いせずに、守備態勢を整えて相手を迎えようとしていることが窺えます。 オフェンスリバウンドはシュート機会を増やす利点はありますが、ターンオーバーやディフェンスリバウンドでも相手とのシュート機会に差を創り出すことはできますし、島根の4Factorsからはターンオーバーとディフェンスリバウンドで補っていることが読み取れます。 また、シュート機会をどれだけ有効に活かすかも勝敗を左右する重要な要素で、eFG%からOpp eFG%を引いた数字は2番目の高さを誇り、そりゃ勝率が高くなる訳です。 ・オフェンスリバウンドよりも守備態勢を整えることを重視する ・ディフェンスリバウンドは、しっかり回収する が島根のリバウンド戦略ではないかということで、記事が終わりそうですが、もうしばらくお付き合い下さい。 昨季も勝率7割だった島根ですが、昨季も同じスタイルだったのでしょうか? 昨季のORB%はリーグ4位の33.2%で、今季よりも8.7%も高い数値を残しています。このことからも、あえて獲りにいっていないことが分かります。Opp eFG%を見てみると51.7%と5.8%高く、深追いしない作戦が功を奏しています。 ここから先は、おまけのようなもので、 ・スタッツの昨季と今季の比較 ・今季のスタッツの相対評価 もご紹介します。 この情報では物足りないと感じる方には、 B.LEAGUE 2022-23シーズン 島根スサノオマジックの攻撃・守備のスタッツと順位・偏差値など も併せてご覧いただくことをお勧めします(手前味噌ですが...)。 ※明日以...