スキップしてメイン コンテンツに移動

「レバンガの壁」を来季も続けた方が良いと考える理由

 *2021/5/3に書いた記事の引越しです。

皆さん「レバンガの壁」のことはご存知でしょうか?

2020-21シーズンのBリーグでは、飛沫感染防止のため大きな声を出しての応援ができず、フリースローの場面でのブーイングもできなくなりました。この状況で、相手チームのフリースロー妨害のために何ができるかという発想から生まれた企画です。

ブーイングがなくなった影響なのか、昨季との比較で過半数の12チームでフリースロー被成功率が上がった中、レバンガ北海道はフリースロー被成功率がリーグ最少の70.4%で、下げ幅3.7%もリーグ最多です。



抜群の効果を発揮しているように思うので、タイトルに書いた通り、来季も続けてもらいたいと個人的に思っています。

レバンガの壁の効果を検証しようと思い立ち、呆れられるかも知れませんが、今季のレバンガ北海道の全59試合で、試合相手のフリースロー試投数と成功数をQ毎にまとめることから始めました。



レバンガの壁は、レバンガ北海道の本拠地「きたえーる」で前半限定で行われているようなので、このデータを基に、フリースロー被成功率をHOME・AWAY、前半・後半、1~4Qなどの切り口で比較していきます。

1.HOME・AWAYの比較



HOMEとAWAYの比較では、HOMEの方が4.7%低く上々のスタートです。

2.前半・後半の比較



次に、前半と後半の比較を、HOMEとAWAYに分けて行います。どちらも前半の方が低いですが、AWAYの0.4%差に対して、HOMEでは3.5%も差が開いています。

レバンガ北海道のフリースロー被成功率は70.4%ですが、HOMEの前半に限ると66.0%まで下がるので、来季も是非という数字ではないでしょうか。

結論が出て記事が終わりかけていますが、まだまだ続きます。

3.1~4Qの比較



興味深いのは1Qの被成功率の低さ。シュートは、足の力を上手く伝えて打つものと聞くので、疲れが溜まる後半の方が確率が下がると思っていました。シュート感覚を掴むには時間がかかるということなのかも知れません。

2QはAWAYでは被成功率が最多の76.0%ですが、HOMEでは最少の64.6%と10%以上も違います。2Qはシュート感覚が掴めて、疲れが溜まる前ということでフリースロー確率が比較的高いQかも知れず、前半は妨害作戦を実施するのに最適だったようです。

4.きたえーる・それ以外のHOMEの比較



同じHOMEでも、きたえーる他の会場で分けての比較も行います。1Qはシュート感覚がとか書いてましたが、95%も決まってる… これは、データ数の違いが原因と思われます。

きたえーる開催は23試合、他の会場開催は6試合な上に、他の会場開催の1Qでは本数が20本と少なかったです。2Q・3Qの36本、4Qの41本の半分くらいの数字で、強引にも見えますが異常値ということにさせてください。

5.前半のフリースローにまつわる数字 @きたえーる



最後に、きたえーるで行われた23試合の内、宇都宮と3回・横浜とも3回試合をしていることについて触れます。というのも、宇都宮はフリースロー成功率がリーグで2番目に低い68.4%で、横浜はリーグで一番低い63.8%だからです。

フリースロー成功率が低いチームとの試合が全体の約4分の1を占めているから、HOMEでのフリースロー被成功率が低いのではないかという指摘に対しては、1Qの数字だけでは確かに分が悪いです。ただ、2Qの数字もご覧いただくと、レバンガの壁は効果があったのではないかと言えそうです。

長々と書いてしまいましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

このブログの人気の投稿

2022年の京都ハンナリーズ 11連敗の前後のスタッツ比較 

 2022年に入ってから10勝11敗と5分目前の勝率でしたが、4月6日以降は11連敗の京都ハンナリーズ。次節は今季最終節にあたり、ホームに西地区2位でCS進出を決めた島根スサノオマジック(40勝14敗/ 勝率.741)を迎えます。 この記事では、浮上の兆しを見せた2022年1月2日から4月3日までの21試合と、4月6日から5月1日までの11試合のスタッツを並べて、どう変わったのかに迫りたいと思います。 ここ最近のモヤモヤした気持ちを解消するという動機で書こうと思い立ち、数字から読み解けることを書き連ねていくので、とりとめもなくなるかも知れません。 まずは大枠を掴むために4Factorsの比較から。 リバウンド獲得率は改善していますが、eFG%が下がりTO%が上がり攻撃を良い形で終えることができていないことが見えてきます。また、守備面でもOpp eFG%が上がりOpp TO%が下がっていて、相手の攻撃が質と量の両面で良くなっています。 次に細かい数字も見ていきましょう。 伸び率下位5項目を見ると、3点シュート成功数が一番下がっています。2.2本減っているので、得点にして6.6点減ということになります。36.2%もあった成功率も28.4%と3割を切る数字になり、得点期待値は0.85(2点シュート成功率が50.9%で得点期待値1.02)。 アシストも減っていて、オフェンスが停滞して3点シュート成功率も低下という悪循環に陥っているように感じます。 一方で、オフェンスリバウンド・セカンドチャンスからの得点が増えていること、スティール・ブロックが増えていることは明るい材料。 守備面で、速攻からの失点が増えているのは、良い形でオフェンスを終えられない余波とも考えられます。3点シュート・フリースローでの失点は減っていますが、2点シュートを高確率で決められていることの裏返しで手放しで喜べません。 一方で、セカンドチャンスからの失点が減っていることは明るい材料。 リバウンドへの意識は高めたまま、シュートを決めて攻撃を終える回数が増えると良いなと月並みな感想で締めます(着地が定まらず、すみません)。 強引にまとめにかかると、残り2試合で勝ってもらいたい訳です。確率の計算をすると、2試合の内、1試合以上勝つ確率は75%です。もちろん、島根は勝率.741ということはわきまえています。...

数字に語らせるマッチプレビュー ~B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本 編~

B2 PLAYOFFS SEMIFINALS FE名古屋 vs 熊本は、失点最少のFE名古屋と得点最多の熊本の顔合わせ。 eFG%は熊本が1位で、FE名古屋が2位でもあります。 ここから先は、図表と数字に語ってもらいます。 ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

数字に語らせるマッチプレビュー ~B.LEAGUE QUARTERFINALS 2021-22編~

最終試合までもつれた残り1枠は「秋田ノーザンハピネッツ 」が掴み取り、 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22への出場8チームが出揃いました。 この記事では、CSの準々決勝でぶつかるチームのレギュラーシーズンのスタッツを並べてみます。ここから先は、図表・数字しか出てきません。 琉球ゴールデンキングス vs  秋田ノーザンハピネッツ 島根スサノオマジック vs  アルバルク東京 川崎ブレイブサンダース vs  名古屋ダイヤモンドドルフィンズ 千葉ジェッツ vs  宇都宮ブレックス ここまでご覧いただき、ありがとうございました!