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4月, 2022の投稿を表示しています

数字に語らせるマッチプレビュー B1 第35節編 川崎 vs A東京

今回の題材は、B1 第35節のマッチプレビュー。共にCS進出を決めた 川崎ブレイブサンダース vs アルバルク東京について。 まず、こちらをご覧ください。 2点シュート試投数(2FGA)と3点シュート試投数(3FGA)の散布図です。*どちらも40分換算の数字です。 川崎は3FGAが最多で2FGAが最少、A東京は2FGAが最多で3FGAが最少と対照的なチームです。 他のスタッツも見てみましょう。 川崎は3FGAが30本を超える唯一のチームですが、eFG%は最多です。3点シュートの成功率が特に高いのでしょうか? 細かいスタッツを見てみると、2点シュート成功率が6割に迫る数字でした。2番目に高い島根でも56.6%(4/27開催試合終了時)で、偏差値換算73.6と突出した成功率であることが分かります。 ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

「レバンガの壁」を来季も続けた方が良いと考える理由

 *2021/5/3に書いた記事の引越しです。 皆さん「 レバンガの壁 」のことはご存知でしょうか? 2020-21シーズンのBリーグでは、飛沫感染防止のため大きな声を出しての応援ができず、フリースローの場面でのブーイングもできなくなりました。この状況で、相手チームのフリースロー妨害のために何ができるかという発想から生まれた企画です。 ブーイングがなくなった影響なのか、昨季との比較で過半数の12チームでフリースロー被成功率が上がった中、 レバンガ北海道はフリースロー被成功率がリーグ最少の70.4%で、下げ幅3.7%もリーグ最多です。 抜群の効果を発揮しているように思うので、タイトルに書いた通り、来季も続けてもらいたいと個人的に思っています。 レバンガの壁 の効果を検証しようと思い立ち、呆れられるかも知れませんが、今季のレバンガ北海道の全59試合で、試合相手のフリースロー試投数と成功数をQ毎にまとめることから始めました。 レバンガの壁は、レバンガ北海道の本拠地「きたえーる」で前半限定で行われているようなので、このデータを基に、フリースロー被成功率を HOME・AWAY、前半・後半、1~4Q などの切り口で比較していきます。 1. HOME・AWAY の比較 HOMEとAWAYの比較では、HOMEの方が4.7%低く上々のスタートです。 2. 前半・後半 の比較 次に、前半と後半の比較を、HOMEとAWAYに分けて行います。どちらも前半の方が低いですが、AWAYの0.4%差に対して、HOMEでは3.5%も差が開いています。 レバンガ北海道のフリースロー被成功率は70.4%ですが、HOMEの前半に限ると66.0%まで下がるので、来季も是非という数字ではないでしょうか。 結論が出て記事が終わりかけていますが、まだまだ続きます。 3. 1~4Q の比較 興味深いのは1Qの被成功率の低さ。シュートは、足の力を上手く伝えて打つものと聞くので、疲れが溜まる後半の方が確率が下がると思っていました。シュート感覚を掴むには時間がかかるということなのかも知れません。 2QはAWAYでは被成功率が最多の76.0%ですが、HOMEでは最少の64.6%と10%以上も違います。2Qはシュート感覚が掴めて、疲れが溜まる前ということでフリースロー確率が比較的高いQかも知れず、前半は妨害作戦を実施...

11枚の図表で辿る「島根スサノオマジック」の3シーズン

*2022/4/16に書いた記事の引越しです。 今回の題材は、B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2021-22に駒を進めた 島根スサノオマジック がどう変わったのかについて。 今季は、安藤 誓哉選手・金丸 晃輔選手・ニック・ケイ選手の3選手が新たに加わり、ニュージーランド代表HCも務めたポール・ヘナレHCが就任しました。 まずは、今季のスタッツ(4/13開催試合終了時)と昨季のスタッツの比較から。 今季はeFG%が伸び率+8.2%で、TO%が縮小率24.5%となっていて、攻撃においてはシュート機会を増やしつつ、攻撃1回あたりの得点も向上させることに成功しています。守備面では、相手チームのeFG%を下げつつ・相手チームのTO%(シュートを打たせない割合)を上げることに成功しています。 FTR・ORB%は下がっていますが、相手チームのFTRは抑えていて、DRB%は上がっています。 更に細かい数字を見ていきましょう。 得点は昨季比で+9.1(伸び率11.8%)。伸び率で見ると、一番上がったのは3点シュート成功数で、一番下がったのはターンオーバー。 ■ターンオーバーが減った = シュート本数が増えた ■シュートの配分を3点シュートに寄せた ■2点シュート、フリースロー本数は10%近く減らしているものの、成功率で補っている ということが分かります。 ターンオーバーが減ったことは失点面でも良い影響を及ぼしています(ターンオーバーからの失点-3.8)。守備面では3点シュートを打たれる機会を減らしています。2点シュートを打たれる機会は4.3回増えていますが、フリースローは2.2本減らしています。一方で、2点シュート被成功率は上がっていて、ペイントエリアでの失点は4.5点、速攻からの失点は1.9点上がっています。 昨季と比べてどう変わったのかは見えてきましたが、今季の数字が他のチームと比べて高いのかどうかも気になると思います。 FTR以外は平均を超えていて、TO%はリーグ最少です。 攻撃では3点シュートを多投していることが分かります。3点シュート成功数は2番目の数字ですが、試投数も2番目に高く、成功率は平均を下回ります。一方で、2点シュート成功率はリーグ2番目の高さで、セカンドチャンスからの得点も3番目に高い数字を残しています。 守備では3点シュートによる失点と、ターンオー...